センパイからセンセーになる日々。
今年も優秀な卒業生が二人、母校の教壇に帰ってきてくれました。
(うちの学校の教室、実は教壇はないんですけれども)
6月14日から教育実習が始まっています。
二人とも、実習生とは思えぬ堂々たる授業ぶりです。
準備したことを伝えることにただ追われるのではなく、
目の前の生徒たちとコミュニケーションをとるということに自覚的で、
聞き手をよく引きつける空間を作れていました。お見事。
大学の外国語学部で外国人への日本語教育を専門的に学んでいるSさんは、
すでに就職が決まっているとのこと。おめでとうございます!
国際的な企業で、海外から日本にやってきた社員の方を
サポートするセクションがあるのだそうで、
大学での学びを大いに活かせそうです。
大学で外国語を学ぶなかでむしろ母語を学ぶ重要性に目覚め、
どんなことを学ぶのにも、まずは「書いてあることをきちんと読む」力が
絶対に欠かせないと感じ、国語の教員免許を取ろうと思い定めました。
本校での実習では、中1の現代文を担当しています。
「聞いている人たちは何が分かっていないか」を
見定めるのが難しく、かつ重要なところだという気付きを得ました。
まさにそれが教員の仕事の決定的な部分を占めると私も思います。
みんな挙手してくれる、という中1の様子を語るSさんを
ちょっと羨ましそうに見たのは、中2の英語で実習をしているTさん。
彼女は大学で小学校教育を専門に学んでおり、
いまも小学校の先生を目指して採用試験に奮闘中です。
現在、小学校でも英語教育が重視されていることを
ひしひしと感じ、中学高校英語の教員免許も取得しようと
思い立ったということです。
いまやグローバル人材を育てる原点は
小学校にあり、ということになっているわけですね。
時代は変わりました。
すでに小学校での教育実習も体験しているTさんは、
授業中での発言に慎重になりがちな本校の中学2年生を
どう「ノセる」かに心を砕いているようです。
先を争って手を上げる小学生とは、だいぶ様子は違うでしょうからね。
まあ、金蘭の生徒たちもいわゆるお年頃ですし……。
二人とも、自分の思い描く将来に今の実習をしっかり関係づけて、
意義深い学びの手応えを得ながら
母校で過ごす日々を楽しんでくれている様子です。
実習生はそこまで具体的な身の上話もしてないかもしれませんが、
志高い実習生の背中は、既に色々なことを生徒に伝えているはずです。